浮かぶ机

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IR3S 第10回シンポジウム 「エネルギー持続性フォーラム」

東京大学国際高等研究所サスティナビリティ学連携研究機構(IR3S)のシンポジウムを聴講してきました。

(概要はこちら↓)

第10回公開シンポジウム - エネルギー持続性フォーラム

 

以下に、印象に残ったことをメモしておきます。

 

・現代は「廃棄制約」の時代である。CO2然り、放射性廃棄物然り。廃棄制約フリーの電源が求められている。

・地域で再生可能エネルギーをうまく普及させるには、デンマークで成功したownershipのように、「負担も便益も自分に来る」ことが大事。市民が出資し、そのリターンも市民が得る。

原発はプラント建設費が大きい。火発は建設費は小さいが、燃料費が高い。

・再エネの一番の特徴は、「どこの地域でやるか」によって、稼働率とそれに伴う発電コストが、大きく異なること。

・地域金融機関にも、再エネに詳しい人材がいると良い。

・日本の光熱費はほとんど化石エネルギーである。化石燃料の輸入により、年間30兆円近い富が海外に流出している。

・2050年にGHG 80%削減、を達成するには、社会経済の構造を大きく転換する、果敢なチャレンジが必要。

・2030年時点のGHG削減目標も、何かしら出さないと国際社会で相手にされない。環境省は再生エネルギーをできるだけ導入したい一方、経産省はそこまでではなく、両者の折り合いがついていない状態である。

滋賀県東近江市の菜の花プロジェクトは、田舎体験や高校生レストラン等、数々の面白い活動に広がっている。

・離島は、日本国内の他の地域に比べ、社会的課題(高齢化等)が進むのが速い「課題先進地域」といえる。

・都市部はエネルギーを使う場所だが、資源はない。24時間を通して様々な需要があるのが都市の特徴であり、効率最大化のために需要側での工夫をする余地がある。

・中国の都市部では、一昔前までは環境問題への関心が薄かったが、最近は意識がかなり変わり、本気で取り組もうとしている。

・自然資本に付加価値をつけるには、その地域でしかできないローカル色を出すことが重要。大量生産、大量消費、グローバル化による安価なものに立ち向かうため。

・工場の排熱(200-300℃)利用は、時間的・空間的ギャップをどう埋めるかが課題。例えば植物工場を併設して熱利用するなど、産業をまたいだ取り組み(産業共生)が必要。ある産業の廃棄物が、別の産業では必要な資源となることがある。制度設計が難しく、タテ割りを打破しなければならない。